『六人の嘘つきな大学生』は、急成長中のIT企業「スピラリンクス」の新卒採用最終選考を舞台に、六人の大学生が繰り広げる心理戦と裏切りが絡み合うミステリー小説!
驚きのどんでん返しに唸る伏線の回収、そしてスッキリする読後感。
本記事では、この作品のあらすじやネタバレ、そして波多野はなぜ自分が犯人ではないのに犯人だと言ったのか調査してみました。
「六人の嘘つきな大学生」のネタバレ!犯人は?動機は?犯人につながる見事な伏線を調査
「犯人はこの人だ!」と登場人物にも読者にも惑わせる仕掛けがたくさんあります。
ひとつずつ、ご紹介していきます。
就職試験にて
最初に犯人として疑われたのは、森久保でした。
最終選考の時に封筒を置いたのが森久保だったからです。
しかし、森久保が自分は指示されただけで、中身が何であったのかは知らないと言います。
そして、アリバイのなかった波多野が犯人となってしまいます。
しかし、波多野は犯人ではありません。
では、真犯人は一体誰なのでしょうか?
告発文を用意した理由は、自分が最終選考で内定を勝ち取るためと考えることが自然です。
そうすると、最後まで告発文が明かされず、内定を勝ち取った嶌が怪しくなります。
8年後
インタビューの中で、森久保も嶌が犯人だったのだろうと言います。
読者も当然、嶌が怪しいと思いますが、真犯人は九賀だったのです。
最終選考でも告発文を最初に開けたのも九賀でした。
しかし、九賀は内定を勝ち取ることができませんでした。
九賀の動機は、自分よりも遥かに優秀な友人がスピラリンクスの二次試験で落とされていること。
そして、就職試験はきちんと機能しているのか、嘘で固められた学生を正しく評価などできていないのだという復讐心からなるものでした。
なぜ、波多野と嶌は犯人が分かったのか?
4月21日に告発文の写真は撮られたとなっているが、三人が撮られた場所と時間、移動距離を考えてみると、実は波多野には実現不可能だということがわかるのです。
矢代はインタビューにて犯人に嘘を言わされたと言い、過去の最終選考の映像を振り返ると、封筒には2枚の紙が入っていることがわかりました。
2枚目の紙には、写真の日付は21日だというように指示されていたのです。
そして、九賀が犯人だと気づいたきっかけは、波多野の告発文に入っていた写真でした。
少しピンボケしたあまり上手ではない写真でしたが、明らかに波多野がビールを飲んで楽しんでいる様子が写っています。
その写真は波多野が所属していたサークルのホームページから使われた写真でした。
しかし、ホームページで一般公開されている写真の中にもっといい写りの写真がありました。
波多野が、スミノフを持って写っている写真が簡単に見つかったのです。
告発文の写真は写りが悪く、ジャンクとしてまとめて放り込まれている場所に入っていて、かなり念入りに探さないと見つからない場所にありました。
もっと簡単に見つかって、いい写真もあったのになぜこちらを採用したのでしょう?
真犯人はお酒に詳しくなく、スミノフがアルコールだと分からなかったのです。
波多野が九賀がお酒に詳しくないと気づいたのは、メンバーの懇親会。
お酒が弱い嶌の前にはウェルチが置かれていたのに、九賀が飲めない嶌に無理やりお酒を飲ませていると怒った場面でした。
嶌は九賀にスミノフを飲んでいる波多野の写真を見せると、「これはお酒ではない」と言い、嶌は確信しました。
「六人の嘘つきな大学生」のネタバレ!波多野はなぜ犯人が自分だと言った?
最後の結末で、波多野祥吾が「自分が犯人だ」と名乗り出る場面があります。
波多野の目的は、自らを犠牲にして嶌衣織を守るためでした。
実際には彼は真犯人ではなく、他のメンバーにとって無実であることが後に明らかになります。
この意外な展開によって、登場人物たちの信頼関係と心理戦が複雑に絡み合うことになります。
最終的に、嶌衣織が内定を得ることになりますが、その過程で彼女自身も多くの葛藤や誤解と向き合い、成長を遂げます。
彼女が最後の封筒を手にしたとき、告発文が空であったことが明かされ、この一連の事件は終結を迎えます。
まとめ
今回は、「六人の嘘つきな大学生」のネタバレ!波多野はなぜ犯人が自分だと言った?についてまとめさせていただきました。
就職活動をという自分の良い面をいかにアピールするかという場面を使って、人間には様々な面があって、一面だけ見て全てを判断できないことを痛感させてくれます。
予想外の展開にワクワクしながら、終盤の伏線の回収と希望あるラストが気持ちの良い作品!
見事な展開のミステリで、良い意味で何度も裏切られるストーリーになっています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。